川嶋勝重 vs 徳山昌守

おとといの感想。ボクシングが大好きな人が見ればおもしろい試合だったと思う。これが初対戦なら僕もそう感じただろう。が、これは第三戦。どうも第一戦と同じ展開のように感じられて、徳山がアウトボクシングに徹底することがはっきりした中盤からは退屈だった。追い込まれた状況になると、川嶋のパンチがひどく大振りになるのも相変わらず。1R だけ徳山に固さが見られた程度で、それ以降は「これ見たことある」という感想しか出てこなかった。

ただ、徳山の再起は文句なくすばらしい。以前と同じアウトボクシングで攻撃的な場面のなかった試合展開を顧みると、筋肉をつけたこと自体はあまり重要ではなく、とにかく以前とは違う自分になる必要が彼にはあったのだろうと想像する。そのぐらい前回の 1R KO 敗戦は彼にとってショックであったろうし、『別人』としてリングに上がることでしか克服できない何かがあったのではないか。そういった障害をはねのけ、チャンピオン復帰という見事な結果につなげた。これはすばらしいとしか言いようがない。

徳山はランキング 1 位の Jose Navarro との初防衛戦が予想される。実は結構楽しみだ。川嶋にしろ徳山にしろ好きなタイプのボクサーではないけれど、川嶋とは全く違うタイプの徳山と Navarro のような若い技巧派実力者との試合の行方は気になる。今回のように動きに切れがあれば川嶋のような相手だとさばけるが、Navarro 相手ではどうだろう。もし Navarro に勝つようなら、再び長期政権を築くことも現実味を帯びる。