長谷川穂積 vs Veeraphol Nakhonluang-promotion

いい試合だった。久しぶりにボクシングを観たという実感があった。

長谷川はバランスのとれたボクサーだと思う。欲を言えば、パンチがもう少しあれば安定王者になれそう。難しいことだけど、このスピードを失わずにパワーがつけばというのはぜいたくか。海外にはそういうボクサーがいるけど、日本にはなかなか出てこない。

中盤に長谷川が一発に力こめて打ち出したので、長谷川はへばって余裕がないんだなと感じた。ボクシングに緩急がなくなるのはまずい。序盤に比べてジャブも明らかに減ってたし。そんな中、長谷川のカットマン (女性だけど) はうまく血を止めた。明らかに古傷のあたりだったからやばいと思ったけど、深くなかったんだろうか? 終盤はウィラポンが疲れていたのもあり、盛り返した長谷川が前半の貯金で判定勝ち。

中堅ジムではなかなか世界戦組めないだろうけど、そういうところにもいい選手はいるということがわかるよい例だ。大手ジムの明らかに世界戦レベルじゃない選手にやらせるより、こういう優れた選手にチャンスをやりたいものだ。選手を大切にするあまり、世界レベルにある日本人同士のつぶし合いをしないのもよくない。その点で、先日あった日本人同士の世界挑戦権の奪い合いをやらせたのはよかった。もっとやるべし。

ウィラポンは上下半身がばらばらな動きだったなあ。いきなりの右も普段に比べれば不発に近かった。体調が悪いのもあったんだろうけど、ウィラポンも年をとったということでは。パワーで補うことができる重量級と違って、中軽量級では加齢がシビアに効いてくると思う。ウィラポンのコンディションが悪かったという声は必ず出るだろうけど、リングに上がるまでの過程も試合の一部だから、そんないちゃもんは無意味。

ただ全盛期を過ぎたとは言っても、再び王座に就く余力はあるはず。長谷川と同級 1 位の試合の勝者とタイでやる契約があるらしい。どこでやっても敵地判定はつきものだけど、タイでやるのか...。いろいろありそうだ。